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前回に続き、映画「僕たちは世界を変えることができない。」に関する
気づきを整理したいと思います。

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現場を視ることの重要性

カンボジア小学校建設プロジェクトの発案者であるコータやコア
メンバーの本田、芝山、矢野は、プロジェクトを本格的に立ち
上げたにもかかわらず、カンボジアへ行ったことがありませんでした。

あるメンバーの指摘でそのことに気がついたコータらは早速
カンボジアへ渡ります。
そこで、衝撃的なまでの現地の実情に触れることにより、
プロジェクトの意義を再認識することになります。

このことが、その後のプロジェクト運営に大きなプラス効果を
もたらします。

コータ自身、プロジェクト立ち上げ当初は、カンボジアという国を、
ネットや旅行誌から仕入れた二次情報でしか説明できませんでした。
それが、現地訪問後は自分の体験に基づく一次情報で語れるように
なるのです。


この結果、コータの発言にはそれまでなかった説得力が加わることに
なります。

ビジネスの世界でも、「現場を知らずしてものは言えない」的な
発言がよく聞かれます。
特に製造業では、現場第一をスローガンにしている企業も少なく
ありません。

コータの例のように、実際に現地で現物に触れたことのある人間の
発言は、そうでない人間に比べリアリティや説得力があります。

但し、勘違いしてはいけません。
実は「現地へ行く」こと自体にはあまり意味がありません。


例えば、コータらがパッケージツアーでカンボジアの観光地を観て
回ったり、スポンサー企業等の招待で現地へ行っていたとしたら、
おそらく上記のような効果は得られなかったと思います。

彼らは自費で現地ガイドを雇い、観光地だけでなく現地の病院や
小学校の建設予定地を訪れます。
そこで、現地の人間と交流しながら、カンボジアの歴史や暮らし、
彼らが抱える問題について、自らの五感で感じ、考えさせられる
ことになります。

この経験が重要なのです。

ただ単に「現地へ行く」のではなく、問題意識を持ち「現地を視る」ことに
よって、コータ達は自分たちがやろうとしていることが

「誰の何のためになるのか」を腹落としすることになります。

だからこそ、その後のプロジェクト運営に対するコミットが高まり、
プロジェクトが危機に瀕した時にも、心が折れる寸前で踏みとどまる
ことができたのです。

ビジネスでも同様です。
「現場が重要」と言う経営幹部や本社スタッフは数多くいますが、漫然と
現場を見るだけでは何の気づきも得られず、問題発見やその後の
意思決定にも何ら好影響を与えないでしょう。

現場へ行く際には、メモと問題意識をお忘れなく。
コンサルティングにおいてもこれは鉄則です。



組織のステージと理念の関係

前回も触れましたが、コータらのプロジェクトが頓挫しかかった時に、
批判的なメンバーから、プロジェクトの目的や意義に対する
疑問の声が上がりました。

 「なぜカンボジアなの?」
 「日本にも困っている人がたくさんいるんじゃないのか?」
 「小学校を一つ作ったからといって何も変わらないんじゃないの?」

それに対して、最終的にコータが出した結論は次のようなものです。

 人のために何かをする喜びは、自分のために何かをするよ
 喜びよりも勝るときがある。
 僕たちに世界を変えることなんてできない。
 でも、僕たちが小学校を建てることで、カンボジアの子供たちが
 笑顔になれる。
 だから僕は小学校を建てたい。

まったくロジカルではありませんし、上記の疑問に対する回答にも
なっていません。
もはや「そう言われたらどうしようもない」というレベルのものです。


しかし、このストレートなメッセージが、多くのメンバーの共感を呼び、
プロジェクトの結束を高めることになるのです。


一般的に、企業には経営理念というものがあります。
教科書的に言えば、組織の存在意義を定義し、価値判断の拠り所となる
組織として重視する主義・主張を文書化したものが経営理念です。

経営理念の多くは、社会貢献や経済発展への寄与的な要素が
含まれており、どこか高尚なもの、あるいは誰からも反対されないもの、
といったイメージがあります

たとえプロジェクトのような一時的な組織であっても、こうした理念的な
ものは必要だと思います。

但し、必ずしも社会貢献的な要素を含む高尚な理念である必要は
ありません。
また論理的である必要も必ずしもないと思います。

会社、特に大企業の経営理念が、高尚で非の打ちどころがないのは、
従業員をはじめとする、より多くのステークホルダーに受け入れられやすい
ものでなくてはならないからです。

これが、プロジェクトのような期間・メンバーが限られる組織や、ベンチャー
企業のようにモーレツなモチベーションが必要な組織では事情が異なります。

理念に求められるのは、ごく少数のコアメンバーの結束やモチベーションを
高めること。そして、心が折れそうなときの支えになることです。


そのためには、ストレートで分かりやすく、メッセージ性の強いものほど
よいでしょう。
大企業のように高尚で抽象的な理念では、各メンバーが自分事として
とらえることができず、どこかの偉い先生の格言のように映ってしまいます。


だから、コータ達のプロジェクトにとっては、上記の泥臭くストレートな
メッセージが理念として十分機能するのです。

もともと、今の大企業も、創業当初から社会貢献的なことまで考慮した
理念を掲げている組織は多くないと思います。

もっと単純に「何か熱くなれることがやりたい」「日本初を目指したい」
「これなら儲けられそう」といった、シンプルな想いが創業の理念で
あることの方が多いのでないでしょうか。

組織が成長するにつれて、社内外のステークホルダーが増え、正式な
経営理念を作成する必要が生じた際に、より公益性の高い内容に進化を
させてきたのだと思います。

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ダラダラ書くのもよくないので、今回はここまでにします。
ただ、この作品はなかなか奥が深く、もう一つだけ整理しておきたい
ことがあります。

(次回に続きます)


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