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企業再生 編も最終回です。

引き続き、企業が破綻してしまった場合の
利害関係者の影響について整理していきたいと
思います。

-------------------- 

⑤取引先(仕入先、外注先等)
 仕入先や外注先からみて顧客に当たる
 会社が破綻すれば、売上が減少することに
 なるため影響は小さくありません。
 
 また、会社に対して債権がある場合は貸倒れが
 発生し、最悪の場合、連鎖倒産を引き起こす
 恐れもあります。

(現場の本音) 
 確かに、会社が急になくなってしまうと
 取引先は困りますよね。

 実際、危機に瀕している会社の中には
 主要得意先の破綻がきっかけとなった
 ケースも少なくありません。

 しかし、リストラの過程の中では、当然
 仕入先や外注先の見直しも行います。
 支払条件の変更をお願いするケースも
 あるでしょう。

 仮に会社が生き残ったとしても、従来通りの
 取引が続けられるとは限らないのです。



⑥金融機関
 会社が破綻すれば、貸したお金の大半は
 返ってきません。
 株主や取引先同様、経済的な損失は
 大きいと言えます。

(現場の本音)
 通常、民間の金融機関は中小企業に対して
 無担保・無保証での融資は行いません。

 金融機関によって保全状況は異なりますが、
 預金や不動産を担保にとっていたり、保証
 協会を使うことで一定程度はリスクヘッジ
 しているはずです。

 また、仮に会社を生き残らせた場合、
 継続的に経営状況をモニタリングしなければ
 ならなくなるため、それらにかかる手間暇も
 ばかになりません。

 金融機関は経済合理性を何より重視します。
 再建の見込みがない会社をいつまでも
 支援し続けることはないでしょう。

 
 債権回収のめどが立たず、今後追加の
 コストがかかる可能性が高いのであれば、
 サービサー会社にでも債権を譲渡して
 しまう方が経済合理性にかなっています。

 つまり、最大債権者である金融機関で
 あっても、破綻間際の会社を何が何でも
 生き残らせようとするインセンティブは
 必ずしも強くないと言えます。

 そもそも、会社がこんな状態になるまで
 放置していた責任(いわゆる貸手責任)は
 金融機関にもあるはずです。

 現に会社の業績が悪化しはじめてからも、
 取引金融機関は自らの業績目標達成の
 ために、追加融資に応じてきたのですから。
 
 となると、「会社を生き残らせるのは
 金融機関のため」という理屈は必ずしも
 成立しない気がします。



⑦地域(自治体等)
 自治体にとって、地元の会社がなくなる
 ことは税収減に直結します。
 
 また雇用の受け皿がなくなり失業者が
 増えれば、さらなる税収の落ち込みや
 公共サービスの負担増につながります。

(現場の本音) 
 税収が減ると言っても、そもそも長らく
 赤字が続いているため、ここ数年はまともに
 法人税(所得連動部分)を払っていないはず。
 
 また、仮に会社が生き残り、いくらか利益が
 出せるようになったとしても、多額の繰越
 欠損金を抱えているため、当分は法人税を
 払うことはないでしょう。

 つまり、極端に言えば、会社が赤字続きの
 状態であれば、破綻してもしなくても、短期的
 には税収への影響もさほどないと言うことが
 できます。


 一方、雇用確保の面では、
 リストラにより従業員が多少減るかも
 しれませんが、会社が生き残りさえすれば、
 雇用の受け皿として一定の存在意義は
 ありそうです。

-------------------- 

会社が破綻した場合の影響を
利害関係者ごとに整理してみましたが、
残念ながら、次の問いに対する
明確な答えは見つからないようです。


「破綻の危機に瀕している会社を
何とか生き残らせようとすることは、
誰のためなのか?」


少なくとも、特定の利害関係者の
ためだけではないようです。

結局のところ、
「利害関係者の不利益の総和を最小化するため」
というありきたりな回答なのかもしれません。


総和を最小化するためであれば、会社は
自らがボロボロになっても走り続けなければ
ならないということでしょうか。


裏を返せば、
会社を破綻させた方が結果的に不利益を
最小化することにつながるのであれば、
例え経営者や従業員が会社を存続させたいと
望んでも、破綻を選ぶべきということでも
あります。

厳しいようですがそれが現実です。

瀕死の状態まで追いつめられた企業には
自らの生死すら自分たちだけでは勝手に
決められないのです。



我々がフィーをいただく直接のクライアントは
危機に瀕している会社です。
しかし、会社、すなわち経営者や従業員の
ことだけを考えて支援をしていては、結果的に
不利益を拡大させてしまう恐れもあります。

再生に携わる人間には、リアリズムとバランス
感覚が求められるのです。


ちなみに、私が知る優秀な再生コンサルタントは
この辺りの見極めが上手いように感じます。

経営者や従業員の想いを冷静に聞きながらも
利害関係者(特に金融機関)の思惑を推し量り、
合理的な着地を目指して立ち回る。

案件のキーマン(メイン行の本部の人間や
スポンサー企業の担当役員等)をいち早く
グリップし、ホットラインを設ける。

時には経営者を叱り飛ばし、金融機関に
対しても明確に「No」と言いながら、粘り強く
交渉していく。

正しくタフネゴシエイターです。


私もまだまだ修業の身です。
日々精進したいと思います。


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